高金利通貨トルコリラの市況材料について

2019年7月25日にトルコ中央銀行は、金融政策会合で政策金利を24.00%から4.25%引き下げて19.75%としましたが、インフレ減速幅に見合った幅であることから、市場はそれほど大きく混乱せず。リラの反応は限定的でした。

8月末には、フラッシュクラッシュに見舞われ一時16.円台まで下がるも、再度18.20程度まで戻り、今週末には18.70まで高値を付けました。なかなかしぶといトルコリラ。この安定が続いてくれればありがたいのですが。

ファンダメンルズ的に見ると油断できない材料が多々あります。

  1. ロシア製ミサイルS400を巡る米国およびNATO同盟国との関係悪化懸念
  2. シリア北部を巡る地政学的リスク(クルド系民族を巡る政情不安)
  3. 外貨準備急減を背景としたリラ安防衛能力への不信感
  4. トルコ経済を巡る先行き不透明感
  5. エルドアン大統領による中銀への介入懸念(=トルコ中銀の独立性を巡る疑念)
  6. トルコ中銀による大幅・連続利下げ観測
  7. エルドアン大統領の求心力低下

など、ネガティブ材料がたくさんあります。

エルドアン大統領は、さらなる利下げを望んでいると言われ、今年末までにはさらに4~5%の利下げの予測もあります。高金利通貨としてはまだまだ高いといえば高いのですが、不安材料も多く、レバレッジも低めに設定しておかないといけませんね。

私は、現在レバレッジ2倍程度、トルコリラ9円程度までは耐えられる計算です。

ドル円も週末には、雇用統計が予想を上回ったこともあり一時107.20円程度まで上がりましたが、押し返され106.90円付近で終わりました。こちらも中国との報復関税の応酬、 英国での解散総選挙の可能性が報じられたことなどなど、どちらに転ぶやらなんとも方向性が見えません。

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