トルコリラ – ゴールデンクロスの次にさらなる期待

 

先週末は、テロ組織支援の罪などに問われ拘束されいたブランソン米国人牧師の解放され、対トルコ制裁は緩和されるとのの見解。また、政府からの圧力化と思われる謎の食品・日用品の値下げやローン金利の利下げなどの情報が飛び交いましたが、相場は織り込み済みだったのか、あまり大きな動きを見せませんでした。

しかし、今週に入りトルコリラはグイグイと急伸してきています。

10/17にはついに20円を超え、10/18 11:00には一時20.30円まで上がりました。不安定だったトルコリラが力強く見えます。

日足でゴールデンクロス達成!

急上昇中のトルコリラ円が、節目とされる上値レジスタンス20円を上抜けました。

日足チャートでは、20日移動平均線(日足20SMA)が、40日平均線を既に超え、きれいなゴールデンクロスを完成しています。8/10のトルコショック以来、長い間下落傾向にあったトルコリラ円が、日の出を見るかのようなきれいなゴールデンクロス。

ゴールデンクロスとは

ん?ゴールデンクロスってなに?そんなにお祭り騒ぎなの?

「ゴールデンクロス」とは、為替や株価のチャート上で移動平均線を使って売買タイミングを探す方法としてよく使われているポイントです。

移動平均線2本(例:25本、50本等)をチャート上に表示させ、線同士が交わった時、例えば短い期間の移動平均線が長い期間の移動平均線を下から上に抜けたとき「ゴールデンクロス」と呼び、今後上向きのトレンドに向かう可能性が高いという意味になります。逆に上から下に抜けると「デッドクロス」と言って今後下落傾向になる可能性が高いということになります。

移動平均線は、株価や為替のチャートをトレンドを見る指標として非常によく使われていて、売買のタイミングを探す方法として、かなり有名なものです。

これは本日現在のトルコリラ円のチャートです。白線が50日移動平均線、黄線が25日移動平均線です。黄線が白線をしたから上に抜け、しっかりと上に向かって伸びています。

今後の展開はいかに

トルコリラ円は長い間、下落トレンドにあり、5年前には50数円台だったものが、1年前には1トルコリラ29円にまで下がり、今年8月には15.62(過去最安値)まで下がりました。ほんの1年間足らずの期間で通貨の価値が半分程度にまで下がってしまったということになります。(現在は19円後半をウロウロ)

このような下がり傾向のトルコリラ円ですが、トルコ国の政策金利が他国に比べ非常に高く、現在では年率24%(単純計算で、銀行に100万円預けると1年後に124万円になる。)です。慢性的に下落傾向のある通貨ですが、この高金利を狙って外国人投資家がFX(外国為替証拠金取引)などでトルコリラを購入しています。

FXでは毎日積み重なる金利と、ジワリと下がるチャートにやきもき気しながら、所有する通貨がぐんぐんと目減りしていき、ついには証拠金が吹っ飛ぶロスカットに遭って、資産を失う投資家も続出してなかで、このかなり久しぶりに出現するゴールデンクロスは、ある意味日の出を見るような明るいニュースではないかと思います。

ゴールデンクロスを見ると、トルコリラ円相場が、下げづらい展開になってきているのでは考えます。

トルコ側が米国人牧師の解放を拒否し、その報復措置として米国がトルコに対し関税率を大幅に上げて経済制裁を行ったことで、8/10トルコリラが急落して史上最安値を記録しましたが、先週末にはトルコ側が軟化し、米国人牧師の解放とニュースが入ってきました。

それを受け、ポンペオ米国務長官は、経済制裁に関して近く決定を下すと明らかにしました。経済制裁を緩めるという意味にとれます。市場では両国の関係が改善に向かうのではと期待が高まっており、実際に経済制裁が緩和されれば、さらにトルコリラは上昇し、22円台ぐらいは行くのでは….個人的期待も含めて。

トルコの経常収支は単月で黒字になった一方で、インフレ率24.5%にまで上がってきています。10/25日開催のトルコ中銀の金融政策会合が注目ですね。

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